ディーラーが銀行ローンを嫌がる理由とは?ディーラーローンとの比較を解説!

新車をいざ購入するとなると、高い買い物であるため「どのようにして買おうか」と頭を悩ませます。

「現金一括」「ローン」「リース」と様々な選択肢が用意されています。

「ローン=借金」のイメージから現金一括で購入する人もいますが、昨今の社会情勢や災害などもしものときのために手元に現金を残しておきたいニーズもから「ローン」を組む人も多くなっています。


ディーラーでは積極的にローンの利用を勧めていますが、あくまでもディーラーローンであることです。

しかしながら、同じローンでも銀行ローンを組むことを嫌がります。

理由には自動車販売のビジネスモデルだけでなく、ディーラーや購入者のリスクもあるからです。今回はディーラーローンと銀行ローンを比較しながら解説していきます。



スポンサードリンク


ローンの基礎知識

新車購入時のカーローンには「ディーラー(信販系)ローン」と「銀行(金融機関系)ローン」の2種類があります。それぞれの特徴をまとめました。


ディーラー(信販系)ローンとは

ディーラーが提携している信販会社などが提供する自動車ローンです。ディーラーで購入手続きと並行して審査・申込が簡単に出来ます。

またディーラーローンには2種類の商品があります。

1)車を自分のものにしたいという方
車の代金を全額借りて、支払回数で分割返済する「フルローン型」
2)定期的に車を買替えたいという方
契約時に3〜5年後の残価(想定下取り額)を設定し、最終回の返済に据置いて、残価を除いた残りの金額を分割する「残価設定型ローン」

銀行(金融機関系)ローンとは

銀行や信用金庫などの金融機関が提供するローンのことです。金融機関から必要な金額が
購入者に振り込みされますので、そのお金をもとに購入者がディーラーに支払います。


ディーラーローンと銀行ローンの比較

ディーラーローンと銀行ローンは同じローンでもそれぞれ特徴があります。

ディーラーローンのメリット・デメリット

ディーラーローンはショールーム内で対応しているため土日祝も審査が可能で、結果が早いです。申込手続きもワンストップで完結します。

また審査基準も緩く、パートやアルバイトでも審査が通りやいです。

デメリットとしては、金利が高めに設定していることや商品によってはローン完済まで車両所有者はディーラーになります。

銀行ローンのメリット・デメリット

金利は低く設定しているため月々の費用が抑えられる。またローン契約時から車両所有者が購入者になります。

デメリットとしては毎月返済が可能であるか細かくチェックしているため審査が厳しいです。

また銀行の営業日は平日のみのため審査にかかる時間も営業日単位になることから審査結果まで時間がかかります


ディーラーは現金一括よりもローンを推奨する

最近のディーラーはローンを組んでもらいたいのが本音です。

理由としては自動車ディーラーのビジネスモデルが変化したことです。

車両価格の高額化により若者の車離れ、少子高齢化による新規顧客の減少により、ライバルメーカーとの競合がより一層厳しくなりました。

そのため新たな収益源の確保としてディーラーはお客さんに「ローン」組ませることで、信販会社から支払われる手数料から利益を出す方針をとなっています。

低金利の銀行ローンと同等ぐらいの金利で新車が買える「残価設定型ローン」は国内自動車ディーラーから輸入車ディーラーなどが、今最も力を入れている商品でもありますが、営業マンの立場からもローン件数目標や自身の評価が上がる仕組みにもなっています。

ディーラーが銀行ローンを嫌がる理由

ローンを推奨しているディーラーですが、購入者が銀行ローンで検討しているとディーラーとしては「収益面」「営業マン」「リスク」の3つの理由から銀行ローンを嫌がります。 

「営業マン」としての理由

1)成約が遅れるため
販売目標がある営業マンは早く「成約」したい。多忙のため商談時間は掛けられないのに銀行ローンだと審査申込・結果に3~4日以上かかるので即決の契約が出来ない。

2)新車買い替えを促すため
昨今の代替サイクルは10年以上と長期化し買換え頻度が減少しています。

「残価設定型ローン」だと、支払い満了に合わせて新車見込みと乗換えが定期的に発生するため営業マンとしても銀行ローンで組まれるよりもメリットが大きいです。

実際に支払い満了時の代替率は現金一括やフルローン型よりも高いデータもあります。



「リスク」としての理由

1)購入代金が振り込まれないといったリスク
ディーラーローンの場合はディーラーが信販会社を介して購入者と契約します。

信販会社から1カ月以内でディーラーへ購入代金が確実振り込まれますが、銀行ローンだと審査や契約は購入者任せになるため、期日までに振り込まれないという可能性もあり得ます。


2)「受注キャンセル」のリスク
審査中にもかかわらず先走って契約したものの、審査結果が不可で、現金購入できないといった「受注キャンセル」リスクもあります。

ディーラーとしてもディーラーローンを通じてリスク回避に繋げています。


「収益面」としての理由

1)残価設定型ローンだとメンテナンスの収益確保
残価設定型ローンの多くはメンテナンスが付帯しているため、オーナーさんにも期間中は安心した点検が受けられるメリットがあります。

銀行ローンだと別途メンテナンス料金が発生するデメリットがあります。ディーラーにとっても安定したメンテナンスの収益が確保されるからでもあります。

2)良質な中古車からの収益確保
残価設定ローン満了時に車を返却する人は車の価値を下げないように乗ります。

返却した車は高年式車のため、状態が良ければ高価格で中古車として売り出すことが出来ます。


購入者がディーラーローンにするメリットはあるか?

ディーラー系ローンを組むことでディーラー側にはメリットがあります。

一方で購入者としては金利の低い銀行ローンのメリットが大きく、ディーラーローンはデメリットにしか感じないかと思います。

それでもディーラーキャンペーンで銀行よりも低金利で展開されることケースや審査・申込手続きなど購入者には簡略化出来るケースなどメリットもたくさんあります。

さらに残価設定型ローンはディーラーが今一番の拡販強化したい商品であります。

先程も述べたようにローン手数料収入が発生し利益が出る分、大幅な値引きが期待出来る可能性がありますので、値引き交渉をしてみるのもいいでしょう。



スポンサードリンク


ディーラーが銀行ローンを嫌がる理由とは?【まとめ】

ディーラー側が銀行ローンを嫌がる理由は「収益面」だけでなく「営業マン目線」や「リスク」を考えたら、購入者にはディーラーローンを組んで欲しいというのが本音だと思います。

ローンを組んで車を購入する人にとっては、銀行ローンの低金利は魅力ですし、月々の支払金額を減らすことにも繋がりますが、ディーラー側の懸念するリスクや手続き方法で万が一にもトラブルが起きる可能性もあります。

そのことからも残価設定型ローンだと購入からメンテナンスまでのカーライフをディーラーが全面サポートしてくれるので、購入者には安心出来る点だと思います。

最後に金利のことや審査基準に合うかどうかは購入者が決めることです。しっかりと見極めながら支払い計画を組んでいきましょう。