鏡餅が紅白の地域は石川県?異なる地域ルールを徹底解説!

鏡餅といえば、大小の白いお餅を重ねて、橙を載せるというのが一般的だと思っていませんか?

実は、全国共通ではないのです!

ある地域の鏡餅は紅白が一般的だそうです。


その「ある地域」とはなんと、北陸の石川県!

なぜ、石川県だけ紅白なのか?また鏡餅の由来や飾り方などについてもご紹介したいと思います。

また、石川県だけでなく、地域によってさまざまなお餅事情をご紹介します。


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なぜ石川県は紅白の鏡餅なのか?そのルーツとは

元々紅白の鏡餅は、室町時代に足利家の家臣が朝廷に反発し、正月の鏡餅に紅白の花びら餅(菱餅)を使って将軍に献上したことが由来といわれています。

また前田家のしきたりにもなっていたようで、加賀藩年中行事図絵や儀式風俗図絵などに紅白の鏡餅の絵が載っています。

ですが、前田家の鏡餅は紅が上、白が下で、現在石川県内で売っている鏡餅と色合いが逆になっているようです。

なぜ紅白のお餅にしたのか。

その意味として考えられるのは、紅白の色合いは日本では縁起の良い配色とされているためだと思われます。鏡餅は神様の拠り所となる場所。おめでたい色合いでお迎えしたかったのかもしれません。

前田家の紅白の順番は、殿様のしきたりとされたのか、町民が真似するときに、謙虚して前田家とは逆の色合いにしたと考えられています

一説によると、紅白餅のルーツは前田利家の徳川幕府に対する対抗意識からきているとされていますが、果たして真相はどうなのかはわかりませんね。

しかし石川県金沢といえば、第二の京都といわれるぐらい城下町のなごりが感じられる街並みがきれいで、海鮮がおいしくて、料理やお菓子も繊細で鮮やかな印象。伝統工芸品の加賀友禅も鮮やかですよね。

そういった印象もあるので、鏡餅もほかの地域よりも鮮やかで凝ったものになったのかな、と想像しています。

紅白の鏡餅は、石川県らしさが出てて素晴らしい文化ですね。ぜひ、この文化を残していってほしいです。


鏡餅にまつわる地域ルールをご紹介!

石川県の紅白の鏡餅は全国から見たらとてもめずらしいもの。
でも、石川県だけではないのです!

ここでは、地域によって異なる鏡餅、お餅事情をご紹介します。

まずは、めずらしい鏡餅についてご紹介。


滋賀県 石山寺の鏡餅

滋賀県の石山寺ご本尊にお供えされる鏡餅は、小型のお餅と蜜柑を交互に積み重ねたもの
独特な飾り方が注目を集めています。

この独特な飾り方は、仏塔(ストゥーパ)の形を模したものだそうで、鏡餅25個に蜜柑20個を使い、高さ約45㎝にもなります。

一般的な大小のお餅の鏡餅を知っていると、石山寺の鏡餅はとても不思議な形に見えます。
もし、気になる方は石山寺の公式ブログをご覧ください!



愛知県 尾張大国魂神社の鏡餅

愛知県の尾張大国魂神社(国府宮)で旧正月の時期に行われる「追儺(ついな)神事」にさきだって「六俵どり」という巨大な鏡餅がお供えされています。

毎年拝殿中央に50俵どりの大鏡餅がお供えされるそうで、はじまりは明治初期、5、6俵前後の鏡餅がお供えしたことから始まったといわれています。

明治、大正を経て昭和15年ごろから次第に大きくなり、昭和30年代から奉納地の名誉にかけて益々大きくなったそうです。それが現在にまで引き継がれています。

ちなみに、高さは2m35㎝、直径2m40㎝、重さ約4t。
大鏡餅の餅つきや飾り付けでは大勢の人が集まり、にぎやかに行われます。

こちらも、気になる方は尾張大国魂神社の公式ホームページをご覧ください。


鏡餅にまつわる地域ルール

最後に、鏡餅にまつわる地域ルールについてご紹介します。

鏡餅の飾りものルール

鏡餅の飾り付けというのは、地域によって本当にさまざま。

鏡餅を飾るものとして、裏白やゆずり葉はどこの地域でも飾られますが、橙や海老、昆布、するめ、串柿などは地域によって異なります。

たとえば、するめを飾る地域は西日本で多く、特に広島県や福岡県、九州地方で見られ、串柿は関西で多く見られる飾り付けだそうです。

どれも縁起物ですが、何を飾るかはその土地柄による可能性があります。
するめを飾る九州地方は土地柄として海鮮物が多く獲れるからかもしれません。


京都の旧家の鏡餅ルール!

京都は、日本古来からの伝統を現在も引き継いでる印象があります。

そんな古き良き伝統が生きている京都には、鏡餅の飾り付けに独自のルールがあるそうです。

1つ目のルール。鏡餅の飾り付けは、代々家長の仕事であること。これは旧家で多く見られるルールで、昔からの家伝統の飾り付け方などの資料も残されているそうです。

ちなみに京都では干柿が飾られます。

2つ目に、飾る場所はかまどや台所であること。鏡餅の飾る場所は一般的には玄関や居間などさまざまなところに飾りますが、京都では竈神さまに鏡餅をお供えするというルールがあるようです。

なぜ、かまどや台所に飾るのか、詳細なことは分かりませんが、火は神聖なものとして捉えられているため、おそらく宗教的なことが関係していると思います。

こういう古いしきたりや習慣は京都独自のような気がしますね。

鏡開きの地域ルール!

皆さんの地域では、鏡開きは何日に行われますか?
私は、鏡開きは1月11日とずっと思っていました。

しかし、実は地域によって鏡開きの日が異なることをご存じでしょうか。

一般的には1月11日が鏡開きといわれていますが、調べてみると下記のように地域によって異なることが分かります。

1月11日

東北、関東、九州などの地方。松の内が1月7日までの地方では鏡開きが11日に行われる傾向があります。
  

1月15日

関西を中心とした地方。松の内が1月15日までの地方では、15日または20日に鏡開きが行われる傾向があります。

1月4日

京都、近畿の一部の地方。松の内に関わらず、三が日が明けたら鏡開きを
行います。

以上、鏡開きの日でもこのように地域差があります。
意外に自分が知っている習慣やしきたりというのは、地域独特のルールだったことに気づかされますね。

このような小さなことでも地域の歴史、伝統として残していくべきかもしれません。

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鏡餅が紅白の地域は石川県?【まとめ】

今回は、地域ごとに見られるめずらしい鏡餅についてご紹介しました。中でも、とてもめずらしい石川県の紅白鏡餅の由来やルーツについて紹介しました。

調べてみてわかったことは、鏡餅ひとつとっても地域差というものは生まれるもの。
例えば、有名な話としてはお雑煮に入れるお餅の形。

一般的には四角と丸いお餅がありますが、地域でどの形が多く食べられているかが異なります。

四角いお餅は東日本、丸いお餅は西日本で多く食べられているといわれています。

その境界線は岐阜県、石川県、福井県、三重県、和歌山県の5県。

この5県では、四角と丸いお餅両方が使われているのです。

このように、日本の文化の習慣、しきたりは全国一緒というわけではありません。

文化、習慣というのは、歴史の流れや生活環境など、様々な要素が加わって、それぞれの地域の色の文化が継承され続けていることはとても考え深いですね。

これを機に、ご自身の地域の文化や習慣について調べてみるのも有りかもしれませんよ。