ミドリガメの冬眠は必要?冬眠させるメリット・デメリットと準備は?

ミドリガメなどの爬虫類は冬眠をする生き物ですが、飼育環境下では保温をして冬眠をさせないことも可能です。


*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。

「冬眠は必要?」と疑問に思う方もおられるとは思いますが、冬眠についてはそれぞれのメリットとデメリットがあるので一言にどちらかの答えを言うことはできません。

また、室内で冬眠をさせるためにはそれなりの準備が必要になります。

今回はミドリガメの冬眠が必要か、室内で冬眠させるためにはどんな準備が必要か、まとめてみました!

ミドリガメには冬眠が必要?

ミドリガメは気温や水温が15℃以下になると活動が鈍くなり、5℃前後になると冬眠を始めるという体内サイクルを持っています。

飼育環境下では保温器具を使って冬眠をさせずにいることも出来ますが、必要なのでしょうか?

実際のところ、はっきりとどちらかの答えを出すことは出来ません。

なぜなら、ミドリガメの冬眠にはメリットもデメリットも含まれるためです。

ミドリガメの冬眠についてのメリット・デメリットは?

ミドリガメを冬眠させるかどうかを決定するためには、冬眠のメリットとデメリットをしっかりと把握しておくべきかと思います。

それでは、ミドリガメを冬眠させるメリットとデメリットをご説明していきます。

*メリット①寿命が延びる

ミドリガメは冬眠させることで活動が最小限に抑えられ、エネルギー消費が少なくなるため、長生きすると言われています。

冬眠させる場合は、冬眠中はいわゆる仮死状態になるので冬眠させない場合よりは成長が遅くはなりますが、その分長生きしてくれるので、飼い主としては嬉しいですね。

*メリット②繁殖させやすい

もし繁殖させることを考えている場合は冬眠させた方が繁殖の成功率が高くなります。

ミドリガメは産卵の時期を4~6月に迎えるため、産卵時期に備えてしっかりと体力を温存し、繁殖活動に備えます。

ミドリガメは生後4年以降から繁殖活動が出来るようになるため、この時期から冬眠をさせるようにすると繁殖がうまくいきやすいと言われています。

*メリット③節約になる

ミドリガメだけでなく、爬虫類を越冬させるためにはヒーターや紫外線ライトなど多くの機材が必要になります。

また、真冬に入ると保温器具だけでは温度を保てないことが多く、エアコンを24時間稼働させる必要があります。

冬眠させる場合は、冬眠の間の保温器具や紫外線ライト代、それらの機材を稼働させる電気代やエアコン代、餌代などを節約することが出来ます。

*デメリット①リスクが高い

自然環境下でも、冬眠から問題なく目覚める確率は100%ではないと言われています。

そのため、温度設定や環境作りがうまくいかなかった場合は、最悪亡くなってしまう場合があります。

特に屋内飼育されているものは人工繁殖個体は冬眠の温度差についていけず、死んでしまう個体が多いようです。

*デメリット②幼体には向かない

冬眠している間は餌も食べず、仮死状態で過ごします。

冬季の長い期間を過ごすためには体力を要するため、まだベビーの体力が少ない個体は冬眠に向きません。

また、病気をしていたり、食欲不振の個体も冬眠は避けたほうが良いかと思います。

*デメリット③期間が長い

これは飼い主によるとは思いますが、冬眠中は餌も水替えも必要ないため、ミドリガメと触れ合うことが出来なくなります。

筆者は現在3種類の爬虫類を飼育しておりますが、どの子も冬眠させると飼い主が寂しいですし、リスクも高いので冬眠はさせていません。

室内でミドリガメを冬眠させる時期と準備は?

それでは、ミドリガメを冬眠させるための準備についてご説明していきます。

*ミドリガメが冬眠する時期

ミドリガメの冬眠は11月~3ヵ月の4ヶ月間

*ミドリガメを冬眠させる前の準備

気温にもよりますが、10月初め~終わりごろ、日中の気温が20℃を下回るとだんだんとエサを食べなくなってきます。

完全に食べなくなったのを確認した後、2~3週間そのまま絶食し、体内にある糞が出きるのを待ちます。

このとき、完全に糞を出し切らないと体内の組織が腐敗して個体が死んでしまうため、冬眠させるようにしましょう。

室内でミドリガメを冬眠させる方法には2種類の方法があった!

それでは実際にミドリガメを冬眠させる方法をご紹介していきます。

実は、冬眠には2種類の方法があるのをご存知でしたか?

*土の中で冬眠させる方法

<用意するもの>
ケージ、土や落ち葉、水苔など

<方法>
・ケージに少し濡らした土や水苔を20~30㎝入れ、1番上に落ち葉を押し付けないように軽く敷きます。
・冬眠させる日にミドリガメを用意したケージに移します。自分で潜っていくのを待ちましょう。
※無理に潜らせると窒息してしまう可能性があるので、絶対にやめましょう。
・蓋をする場合は空気穴をしっかりとあけておきましょう。
・暗くないと冬眠がうまくできないため、段ボールの中などに入れておいても良いです。

<温度・湿度>
・冬眠中は5℃が適温です。温度が一定になるようにしましょう。また、0℃以下になると死んでしまうので注意しましょう。
・冬眠中は週に1回程度の霧吹きをして、土を湿らせるようにしましょう。

*水の中で冬眠さえる方法

<用意するもの>
ケージ、土や落ち葉、水苔など

<方法>
・亀の動きが鈍くなってきたら、水槽のに入れる水を多くします。万が一、水が凍っても、表面は凍っても下が凍らないくらいの水量にしましょう。
・落ち葉や水苔をケージの中に入れます。
※落ち葉は使用する前に1~2ヵ月ほど置いておくとアクが抜けて水が汚れにくくなります。

<水温・湿度>
・水温は5℃をキープして、蓋をしておきます。
・1週間~2週間に1回、水が蒸発して減ったら随時足します。
・水替えの必要はありません。

ミドリガメの冬眠は必要?【まとめ】

今回はミドリガメの冬眠についてご説明していきました。

冬眠をさせるには個体の体力も必要で、リスクのある行為ですが、繁殖や長生きのことを考えると、1度は考えてみても良いのかもしれません。

冬眠をさせる際には、しっかりと冬眠させるメリットとデメリットを理解した上で冬眠をさせるようにしましょう。

冬眠後は3月くらいになって気温や水温が上がってくると自然に冬眠から覚めてきますが、もし4ヶ月過ぎても覚めない場合は、水温を25℃以上にした水槽に入れ、動物病院で診察を受けるようにしましょう。

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