先日、小型の洋犬を連れた飼い主さんと話していた時のこと。
「柴犬は性格が悪い!」と、いきなりの爆弾発言が飛び出しました。
続けて、「柴犬や日本犬はすぐ唸るからダメだね」

*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。

うちの犬も小型で洋犬のミックスだから、普段、柴犬や甲斐犬と仲良く遊んでいるとは想像できなかったのでしょう。

でも実は、こういう印象をお持ちの方が少なからずいることは確かです。

どうして柴犬は唸るのか。時として噛むことがあるのか。

その理由としつけの必要性について考えてみました。


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柴犬が唸る、噛む理由は様々。楽しい時にも起こります

柴犬はどんな時に唸ったり噛もうとしたりするのでしょう。
例を挙げてみます。

◇フードを食べているところに手を出した時
◇抱き上げようとした時
◇散歩の後に脚を拭こうとした時
◇後ろ脚を撫でようとした時
◇去勢していないオス同士
◇知らない人が近づいてくる
◇小さな子供が歩いている
◇その他、ある一定の通行人に対して
◇動物病院の診察室に入って獣医さんに見せる時
◇おもちゃで遊んで興奮して



これらの行動を起こす理由は、次のようなことが原因だと言われています。

◇柴犬の過度の恐怖心や警戒心
◇落ち着かない生活環境(家族に構われすぎて落ち着かない、静かに休む場所がないなど)によるストレス
◇社会化不足
◇人間の手をおもちゃや噛んで良いものだと認識している



では、この状態で何もしないと、どんなことが起こるでしょうか。

◇病気になっても獣医さんに診せるどころか、病院に連れて行くこともできない
◇身体が汚れても、触ることができず、綺麗にしてやることができない


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唸る、噛む柴犬に、飼い主はどんなしつけをしたら良いか

飼い主さんが手をつけられないような状態の時は、一度獣医さんに相談してみることをおすすめします。

病的に恐怖心が強く、それによって攻撃的な行動を取ってしまう子の場合、薬としつけの併用で改善する必要もあるからです。

また、身体に何か異常があることが理由であれば、治療することで改善されることもあります。

心と身体の確認をしたところで、以下のような環境の改善やしつけができるようです。



散歩時間を増やし、人、物、音、環境などの経験を増やす

散歩をすることは、ストレス発散や脳への刺激、そして適度な疲労感を柴犬に与えます。
今までより少し長めに歩いてみてはいかがでしょうか。



落ち着いて休める場所を作る

家族の誰にも触られない、シェルターのような場所を作りましょう。
安心感は身体と心を落ち着かせてくれます。



むやみに触れない

子犬の頃に必要以上に撫でまわされたり抱っこされたりすると、ストレスからその行為を拒絶する柴犬もいるそうです。
柴犬のペースで家族と関われる環境も必要です。



手からご飯をあげてみる

初めは手から、慣れてきたら、柴犬の目の前で手から器にフードを入れて食べさせてみると良いかもしれません。
人間の手は、フードを取り上げるものではなく、美味しいものをくれるものなのだと認識できます。



手で遊ばせない、手で叩かない

遊んでいる時に、興奮して唸りながら手を噛む柴犬がいます。

これは、人間の手を「噛んでも良いおもちゃ」と考えているのです。

噛まれた時に人間が声を出すことで、喜んだ、褒められたと勘違いした柴犬は、遊びの時に唸る、噛む、の行動を繰り返します。

手で叩くと、余計に興奮させるため、手を噛まれた時は無言で無視してみてください。

反応がないことで柴犬がつまらなくなり、噛む行為に興味を持たなくなるのが狙いです。



実際の飼い主さん達は、こんな風に行動している

少し重たい話が続いてしまったので、ここで私が見てきた飼い主さんのテクニックをご紹介します。
特に年配の飼い主さんのかわし方は絶妙です!



先手必勝!巻き込みタイプ

近所の柴犬くん。去勢していないオスで、うかつに近寄ると、唸る、吠える、噛む、の男気あふれる柴犬とのこと。

その子を連れているのは、お母さん。
かつてうちの犬が去勢していない時に近づいて行った時、そのお母さんは言いました。

「その子去勢してる?していないの?あらぁじゃあダメだわねぇ。この子今、固まってるでしょ、小さい犬でもわかるのよ。オスってわかるともう大変なのよぉ」

こちらが口を挟む隙を与えず、そのお母さんは機関銃のごとくそう話すと、一定の距離を保ちながら、世間話を始めました。

柴犬は完全に出鼻を挫かれて棒立ちとなり、うちの犬も柴犬ではなく、お母さんを見ていました。
後日、去勢後にもその犬とお母さんに会ったのですが、やはり柴犬は少し警戒している様子。

すると今度は、「その子、去勢しているの?ああでもわかるわ、男気が強いのね。そういう子もうちは攻撃しちゃうのよ。ほら見て、今、吠えようかやめようか考えてるでしょ」

そしてまた、10mほど距離を保ったまま世間話。

犬は近づけられないけれど、この方、世間話はしたいのです。

この柴犬とはよく会うのですが、実は一度も他の犬とやり合っている姿を見たことはありません。

ある意味しつけを超越した、圧巻の柴犬唸り対策。

お母さんの明るい表情と滑らかな口調に、素晴らしいコミュニケーション能力を感じました。


めげずに解決!

子犬の頃に獣医さんに唸る、噛む、を繰り返し、トレーナーさんに預けた柴犬の飼い主さん。
4ヶ月でいよいよ散歩デビューを果たし、私達が集まる公園にやって来ました。

ところが、元々気性が荒いことを見抜いたのでしょうか、犬仲間でリーダー格の甲斐犬が、その犬に襲いかかってしまったのです。
何とかその場は無傷で収まりましたが、柴犬と飼い主は早々に立ち去って行きました。

もうあの子は来ないだろうと、誰もが思っていました。
しかしその子は、翌日もやって来たのです。

その家のお母さんもお姉さんも感じの良い方で明るい性格だったので、犬仲間が欲しかったようです。

そうなれば、私達も仲間に入れてあげたい。

甲斐犬が威嚇しようとすれば、みんなで全力で呼び戻し、その柴犬は見事仲間入りを果たしました。

今ではその柴犬は仲間内で唸る、噛むの行為は一切せず、うちの犬ともとても仲良しです。

襲いかかった甲斐犬とも、同じ空間で上手に無視しあえています。

何度トライしてもダメな犬も中にはいますが、トライしてみる価値はあるのだと誰もが感じた出来事でした。



犬同士は意外にうまくいっている

飼い主同士はヤキモキする場面でも、犬同士はけっこううまくやっています。

柴犬と一緒におやつを食べていた時のこと。
その子は好きなおやつをもらうと、地面に落として「お取り置き」する癖があります。

全部もらった後で、そのお取り置きしたおやつを楽しむのです。
しかしそんなことを知らないうちの犬は、落としたおやつを食べようと近づきました。

その瞬間、柴犬は猛烈に唸って怒り心頭です。

同じようなことは、歩いている時にも起こりました。

気に入った匂いを嗅ごうとしていたところに、またしてもうちの犬が横入りしたのです。

柴犬は唸るし吠えるし、もう大変。

でもうちの犬は、そういう時、「ああ、ダメなのか」という顔で、やり返すこともなく身を引くのです。

それからはおやつの横取りもせず、匂いを嗅ぐのも順番待ちをするようになりました。

犬は犬同士の世界の中で、きちんと序列を学び、いじけたりすねたりすることもなく上手に付き合っていかれるのです。

何でも仲良く一緒に、が正しいとしているのは、人間の思い込みかもしれませんね。



唸る柴犬、噛む柴犬に潜む理由とは?【さいごに】

「柴犬はすぐ唸る、噛む。性格が悪いよ」と言った飼い主さん。
飼い主さんと、犬の様子を見ていると、何が起きたのか少し想像できる気がします。
その犬は、グイグイリードを引いてこちらに近づいて来たのです。
飼い主さんもそれを止めずにやって来ました。
うちの犬は平気な顔をしていましたが、これがもし警戒心の強い柴犬だったら……よそ者アンテナMAXで、柴犬は唸ったのではないでしょうか。



犬にはそれぞれ譲れないポリシーがあります。
飼い主ですら近寄れないほどの攻撃性には対処が必要ですが、時として、無防備に近づく相手に問題がある場合もあるのです。
とはいえ、「あなたが間違っています」「近づかないで!」とも言えないのが、難しいところ。
そんな時、唸りそうだと思ったら、先手を打って笑って逃げるのも一つの手です。
必ずしも全ての犬や人と仲良くなることだけが、犬との暮らしではないのです。
大切なのは、飼い主と柴犬が信頼し合って共存できること。
飼い主さんは、柴犬の良き理解者、そして、頼れるリーダーになってください。
強いリーダーがいて初めて、柴犬は社会と向き合えるようになるのです。