法隆寺の5重の塔の内部構造と七不思議の謎とは?徹底解説!

皆さんは5重の塔は、各階にそれぞれの意味が込められていることをご存じでしたか?

まず、1階(初層)は「地」、2階は「水」、3階は「火」、4階は「風」、5階は「空」の意味がこめられ、仏教の5大要素ともいわれており、壮大で果ての無い「無限」を表しているそうです。



画像はイメージです。本文との関連はありません。

もともと5重の塔は、お釈迦様の骨(仏舎利)を収める塔とされていますが、仏教を重んじるお寺にとってはとても重要な役目を果たす建物として重宝されています。

5重の塔は日本各地にも数多くありますが、中でも法隆寺の5重の塔は世界最古の木造建造物として7世紀に建てられました。

今回は1300年もの歴史を持つ法隆寺の5重の塔についてご紹介します。



スポンサードリンク



法隆寺5重の塔の内部構造はスカイツリーもマネをした?

5重の塔の中で「ここが一番‼」というお気に入りの塔はありますか?

個人的にですが、私は京都の東寺の5重の塔が一番のお気に入りで、ちなみに東寺の5重の塔は、日本で最も高い木造建造物として有名です。

さて、法隆寺の5重の塔は世界で最も古い木造建造物として歴史のギュと詰まった法隆寺のシンボルタワーと言えるでしょう。

法隆寺の5重の塔の高さ約32m、「積み上げ構造」になっています。

積み上げ構造って何?と思われた人もあるのではないでしょうか?

簡単に説明すると、ひとつの家を下から順番に重ねて積んでいくというイメージです。

つまり、各階は固定されていない状態で組まれているのです。

しかし、ただ単に積み上げただけでは不安定ですし、突風や揺れでたちまち倒壊してしまいますね。

そこで、法隆寺の5重の塔は、「心柱」というものが一本建てられ、土台から屋根まで貫いて5重の塔を支えているのです。

また、法隆寺の5重の塔は上に行くほど、少しずつ小さくなっているのも特徴で、パッと見ただけではよく分かりませんが、ぜひ一度よ~く観察してみてください。

法隆寺の5重の塔の内部構造は、「心柱」によって支えられていますが、この心柱はとても重要な役割を果たしているのです。

5重の塔が左に傾こうとすれば、心柱は右に動いて塔を保持しようとする働きがあり、揺れを軽減する効果があります。

耐震効果は抜群で、現在では東京スカイツリーも法隆寺の5重の塔の工法をモデルにされているそうで、大きな地震がきても倒れないように設計されているそうです。

1300年前に耐震技術を兼ね備えた職人がいたとは、凄いとしか言いようがありません。

また、当時の建築技術はもちろん、完成までに膨大な時間と労力を費やして建てられたに違いありません。

当時の最高峰の技術が、法隆寺の5重の塔に歴史とともに詰まっていると思うと、見ごたえも違ってきますね。



隆寺の5重の塔の七不思議

鯛石(たいいし)

法隆寺の南大門の階段の前に鯛の形をした石がありますが、見逃してしまいそうなくらいあまり目立たない石です。

法隆寺近辺は昔から大和川の氾濫で何度も水害が起こりましたが、南大門の先には水が来ないということで、鯛が守ってくれているのではないかと言い伝えがあり、鯛石を踏むと水難にあわないということです。

この鯛石、知らずに踏んでいる人は全員水難除けのご利益を授かっていることになるのですが…。

皆さんは意識して「鯛石」を見つけて踏んでくださいね。


5重の塔の鎌

5重の塔の屋根の上から伸びる相輪の下の方に釜が上向きに刺さっています。

鎌は草刈りなどで使用する鎌で刃物です。

なんだか不気味な感じもしますが、これは「落雷除け」とされています。

しかし雷は金属に落ちるけど…大丈夫なようです。

また、「聖徳太子の怨念を封じ込めるため」とも…。

聖徳太子の恨みをかうほど、何をしたん?と思ってしまいますが、その他のも鎌を上向きに飾ると豊作になるなど、さまざまな説があるようです。



伏蔵(ふくぞう)

法隆寺には3つの「伏蔵」があるそうですが、伏蔵って何かというと「埋没された蔵」のことで、徳川埋蔵金とかあのような感じ…。

伏蔵には、聖徳太子が法隆寺ピンチの時に、保管している財物を使用するようにと言い残したものが眠っているのではないかといわれています。

しかし、誰も見たことがないのでこれは七不思議の象徴ともいえるでしょう。

皆さんは伏蔵の中には何が納められていると思いますか?



因可池(よるかのいけ)

法隆寺のカエルはすべて片目になった!と何とも嘘か誠か、七不思議らしい内容です。

聖徳太子が学問に没頭しているとき、カエルの声がたまらなくうるさく感じたのか、持っていた筆をカエルにめがけて投げたところ、すべてのカエルの目が片目になったとか…

太子さん案外短気?

それとも神通力みたいな不思議な力があったのでしょうか?



夢殿の礼盤(らいばん)は汗をかく

礼盤とはお坊さんが座る台のことで、この礼盤の下は汗をかくということです。

しかしこれは、結露によるもので化学的に立証されているのですが、原因がわからなければ怪奇現象になっていたかも知れませんね。

法隆寺の境内は蜘蛛が巣を張らない

蜘蛛の巣はもちろんですが、燕も巣を作らないといわれています。

生き物さえも住み家としないともなると、本当に神聖な場所なのでしょうか?

しかし、蜘蛛の巣は発見されているそうですよ。

言い伝えとはいえ、法隆寺は歴史がありそれだけの風格と威厳のあるお寺なのだということなのでしょう。

雨だれによる穴が開かない

法隆寺の石は雨だれによる穴がありません。

1300年以上、雨にさらされていたら、その部分は雨だれにより穴が開いてしまいます。

法隆寺の石はよほど頑丈なのか?

しかし、これは石の上に石を重ねることにより、キレイさを保っているとのことです。

なんだか無理やり七不思議にカウントされたように感じますが、これも歴史の成す法隆寺だからこそだと思います。



法隆寺の5重の塔はなぜ建てられたのか?

インドの「ストゥーパ」というものをご存じですか?

トゥルースリーパー(寝具)ではありませんよ。

ストゥーパというのは、釈迦の遺骨を尊いものとして安置するためのもので、5重の塔の原型といわれ、インドから中国を経由して仏教建築として日本に伝わってきました。

法隆寺の5重の塔は、仏舎利を安置する重要な建物として建てられたのです。



法隆寺の5重の塔の歴史はとても深い

法隆寺は今から1300年前の飛鳥時代に、推古天皇と聖徳太子によって建てられました。

斑鳩寺とも呼ばれ、当時の建築技術は現代にも適用され、歴史の深さや今に伝える法隆寺の影響は衰えることはありません。

また、歴史を深堀すると、法隆寺の5重の塔に使用されたカンナなどの工具は、磨製石器時代に使用されたものと同じであったことも、明らかになっているようです。

5重の塔はもちろんですが、建築技法や建築工具などにも歴史の深さを感じますね。

そして、1993年(平成5年)に「法隆寺地域の仏教建造物」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。

ちなみに、そのとき同時に文化遺産に登録されたのが「姫路城」ですよ。



スポンサードリンク


法隆寺の五重の塔【まとめ】

法隆寺の5重の塔は、内部構造や建築技法により耐震性にすぐれ、1000年以上倒壊したことがなく、現在も東京スカイツリーの建築に生かされ、創建当時の高度な建築技法に驚かされます。

謎の多い法隆寺は、七不思議や歴史はこれからも人々に語り継がれ、虫や鳥や生き物すべてにも法隆寺は聖域として親しまれると思います。

最後までおつき合いいただきありがとうございました。