奄美大島が世界遺産になった理由とは?島の特徴や魅力を徹底解説!

皆さんは、鹿児島県にある奄美大島が、世界遺産に登録されたことをご存知でしょうか?

(※写真はイメージです)

鹿児島県の世界遺産と言えば、屋久島が有名です。しかし、実は鹿児島と沖縄のちょうど真ん中に位置する奄美大島も、2021年7月に世界自然遺産に登録されたのです。正式には「奄美大島・徳之島・沖縄北部及び西表島」として、認定されました。では、奄美大島が世界遺産に登録された理由は何なのでしょうか?

その理由は、「かけがえのない豊かな自然」にあったのです。島の特徴や魅力を解説していきます。



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奄美大島が世界遺産になった理由!

鹿児島県の離島である奄美大島が、世界遺産に登録されたのは、いつかと言うと2021年7月です。その登録理由は、「豊かな自然と多様な生態系が今なお残る」ことです。とても喜ばしいことですが、登録までの道のりはスムーズではありませんでした。

実は、奄美大島の世界遺産登録は一度延期になっているのです。2017年に日本政府はユネスコ世界自然遺産センターへ推薦書を提出しています。この時、現地調査をした世界自然遺産の諮問機関・IUCN(国際自然保護連合)は「外来生物に対する対策が不十分なこと」などを理由に、登録延期を勧告します。

これを受けて、日本政府は推薦を一度取り下げました。推薦されれば、世界遺産に登録される可能性が高いと考えていた奄美大島の関係者は、とても落胆します。この延期をバネに、政府や奄美市は外来種への対策を強化し、はれて2021年7月に「奄美大島・徳之島・沖縄北部及び西表島」として、世界遺産に正式登録となるのです。

では、そもそもその奄美大島が世界遺産に登録された理由は何なのでしょうか?その答えは、貴重な生態系や固有種、希少種がたくさん生息しているという点です。

奄美大島の特徴と魅力とは?

奄美大島の特徴は、亜熱帯気候であることです。日本列島は南北に長いため、北は亜寒帯から南は亜熱帯と様々な気候区分に属しています。その中で、奄美大島は亜熱帯気候であり年間平均気温は約22℃です。東京は約16℃なので、だいぶ暖かいと言えます。

また、奄美大島は台風の通り道になるため、降水量が非常に多い点も特徴です。南の島なので、晴天の日が多いと思われがちですが、意外にも日照時間は日本でも有数の短さです。このような気候の奄美大島は、ほとんどが山地で日本最大級の亜熱帯照葉樹林が広がっています。

奄美大島では紅葉がないため、秋や冬でも森は青々と茂っています。紅葉がないのを嘆く住民がいる一方、それを魅力と感じるのが観光客です。一歩森に足を踏み込めば、日本にいるのを忘れてしまう、海外のジャングルにいるような感覚になるのです。

奄美大島に生息する固有種や絶滅危惧種を紹介!

ジャングルのような奄美大島の森には、多数の固有種や絶滅危惧種が存在します。固有種として最も有名なのは、奄美大島と徳之島にしか生息しない、特別な生き物・アマミノクロウサギです。また、カラス科のルリカケスも世界中で奄美大島と請島・加計呂麻島にのみ生息する固有種で、鹿児島県レッドデータブックー絶滅危惧Ⅱ類に分類されています。

他にも、オーストン、オオアカゲラ、アマミハナサキガエル、アマミイシカワガエルなど、奄美大島や周りの島にしかいない固有種はたくさんいるのです。フェリエ、ベニボシカミキリ、アマミミヤマクワガタなどの昆虫にも、奄美群島の固有種は100種類以上存在します。そして、アマミアセビやアマミスミレなどの植物にも、固有種は数多くいるのです。

このように、固有種は869種類も存在します。また、環境省レッドリストに記載された絶滅危惧種は、維管束植物193、脊椎動物76、昆虫20もいます。

奄美大島に固有種や絶滅危惧種がたくさん存在している理由は、奄美大島が元々は大陸の一部だったからと考えられています。およそ1千万年前は大陸にいたアマミノクロウサギやケナガネズミ、そのほかの生き物の祖先が、100万年前くらいの水位の上昇で、奄美大島やその周辺の島に取り残されることになったのです。



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奄美大島が世界遺産になった理由とは?島の特徴や魅力を徹底解説!【まとめ】

奄美大島は南の島なので、海のイメージが強いですが、実は非常に魅力的な森があるのです。奄美大島に観光で訪れる際には、海のレジャーもよいですが、森の中を散策して固有種を自分の目で見るのも楽しいはずです。もちろん、森に入る際はハブには十分気を付けてくださいね。「東洋のガラパゴス」と言われるゆえんを、是非奄美大島の森で味わってみてください。