草津温泉のペーハー(pH)は?主な源泉の泉質を比較

国内のみならず、海外にも名が知られている「草津温泉」。

草津温泉を調べていると、酸性の温泉という言葉が多く出てきます。

もう少し詳しく調べてみると“pH1.7~2.1”とか、泉質は“酸性-含硫黄-硫酸塩-塩化物泉と酸性-塩化物・硫酸塩泉”とか、温度は”45~95℃“などと記載されています。


これらを知り、「へぇ~、そうなのか~」なんて思ってみたものの、実際は「しっくりこない・・・」と思っていませんか?

私はというと、もれなくその1人です。

そこで今回は「しっくりこない・・・」を解消するために、次の2点について、お話しします。

*pH1.7~2.1って、どれくらい酸性なの?
*泉質は、両方ともすごく長い名前だけど何が違うの?

ちなみに草津温泉には、6つの主要な源泉があり、それぞれpHや泉質が少し異なっています。
この6つの主要な源泉についての比較もお話しします。



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草津温泉のpH(ペーハー)は?

pH(ペーハー)とは、液体が、どれだけ酸性なのか?もしくはアルカリ性なのか?を表す指標です。
理科の授業でやったことを、覚えている人もいるのではないでしょうか?
私はというと、学生時代の記憶が蘇り、なつかしくなりました。

それはさておき、実際のpHの数字をみてみましょう。

酸性とアルカリ性のちょうど中間である中性はpH7.0、数字が小さくなるほど、酸性が強くなっていきます
そして、pH2.0より小さくなると、一般的に強酸性と言われています。

草津温泉の源泉はpH1.7~2.1。源泉の種類によっては強酸性、そうでなくても強酸性にかなり近いわけです。
ちなみにpH2.0はレモン汁に相当します。

つまり草津温泉での入浴は、レモン汁に浸かっているくらい刺激的ということです。


泉質ってなに?

泉質とは、温泉の性質のことだというのは、多くの人が知っていると思います。

しかし、泉質って「どのように決めているのか?」とか「どんな種類があるのか?」などを知っている人は少ないのではないでしょうか?

泉質は“温泉に含まれている成分の種類”と、その成分が“どのくらい含まれているか”で決まります。

そして泉質名として名乗るには、その温泉に“含まれている成分”が、国の定める規定以上含まれている必要があります。

泉質名の種類は、次の10種類。
1.単純温泉
2.塩化物泉     
3.炭酸水素塩線
4.硫酸塩泉
5.二酸化炭素泉
6.含鉄泉酸性泉
7.酸性泉
8.含よう素泉
9.硫黄泉
10.放射能泉

このとき、複数の“国が定める成分”が規定以上含まれている場合、泉質名は多い順に表記されます。

ちなみに草津温泉は、「酸性・含硫黄-硫酸塩-塩化物泉」と「酸性・塩化物・硫酸塩泉」の2種類。
非常にややこしい!!

細かい説明は省きますが、要は2種類とも酸性の温泉で、その違いは硫黄が含まれて『いる』または『いない』ということです。


主要な源泉の泉質を比較

湯畑源泉 pH2.1〈酸性・含硫黄-硫酸塩-塩化物泉〉

草津温泉で有名な観光スポット「湯畑」から湧き出る源泉。
湧き出た温泉は、7本の木製の樋(とい)を流れ、湯滝で落下した後、いろいろな場所へ配湯されています。

硫黄を含む温泉は白濁色が特徴ですが、湯畑源泉では樋を流れる時に、硫黄成分が“湯の花”として沈殿するため、実際に入浴するときは、ほとんど無色透明になっています。

万代鉱源泉 pH1.7〈酸性-塩化物・硫酸塩泉〉

草津温泉のなかで最大の湧出量を誇り、宿や公共浴場など幅広く配湯されている源泉。
pH1.7と、他の源泉に比べ酸性が強く、温度も95.4℃と高温なので刺激的な源泉です。

草津温泉にはめずらしく、硫黄分がほとんどありません。

西の河原源泉 pH2.1〈酸性・含硫黄-硫酸塩-塩化物泉〉

大きい露天風呂は万代鉱源泉ですが、本来の西の河原源泉は“酸性・含硫黄-硫酸塩-塩化物泉”。

西の河原公園の内には、源泉が湧き出ている場所が約50カ所もあり、それらの様子を見られるよう、散策用の遊歩道が整備されています。

白旗源泉 pH2.1〈酸性・含硫黄-硫酸塩-塩化物泉〉

源頼朝が発見したとされている源泉。
硫黄成分が多く、主要な6種類の源泉の中で唯一白濁している様子が分かりやすいです。

煮川源泉 pH2.1〈酸性・含硫黄-硫酸塩-塩化物泉〉

共同浴場“煮川乃湯”と日帰り温泉施設“大滝乃湯”のみへ配湯されている源泉。

大滝乃湯では、毎月第2・第4土曜日に配湯パイプ掃除のため、温泉が白濁します。
白濁の温泉が楽しむなら、午前中がオススメです。

地蔵源泉 pH2.05〈酸性・含硫黄-硫酸塩-塩化物泉〉

地蔵堂の近くにあるため、地蔵の名がついた源泉。
主要な6種類の源泉の中で、最も湧出量が最も少ない、とても貴重な温泉です。





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草津温泉のペーハーは?【まとめ】

草津温泉はpH1.7~2.1で温度は45~95℃と、かなり刺激的な温泉です。

泉質は、草津温泉のほとんどが“酸性-含硫黄-硫酸塩-塩化物泉”で、万代鉱源泉のみ“酸性-塩化物・硫酸塩泉”。

そして、その違いは硫黄が含まれているかどうかです。

硫黄が含まれる温泉の特徴である、白濁の温泉を楽しみたいのなら、「白旗源泉」もしくは「毎月第2・第4土曜日の大滝乃湯(午前中)」へ行きましょう。

「しっくりきた!!」と思っていただけたでしょうか?
今回のお話が、皆さんの旅行の参考になったのなら嬉しいです。