湯河原温泉に「砂湯」は無いの?誤解される理由を解説!

横浜から60分の温泉街、今から約1300年前「万葉集」には「日本三古湯」と称される愛媛県道後温泉、兵庫県有馬温泉、和歌山県南紀白浜温泉と九州太宰府に近い福岡県二日市温泉など選りぬきの古湯だけが登場しますが、東日本の温泉で唯一詠まれたのが湯河原温泉です。

(※写真はイメージです)

昭和44年9月発行の機関誌『温泉』で掲載された「露天温泉番付」



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湯河原温泉に砂湯は無いの?

「湯河原温泉 砂湯」で検索する人がたくさんいるようで、検索すると多くの情報がヒットします。うん?湯原温泉?
そう、湯河原温泉に砂湯なんてないんです。

湯原温泉とは

どうやら、神奈川にある「湯河原温泉」と岡山にある「湯原温泉」の間違いというか勘違いです。

湯原温泉は、豊臣秀吉に寵愛を受けた側室「おふくの方」が病になったとき、「おふくの方」の子どもである宇喜多秀家が、療養の地として湯原に湯屋を造ったことで歴史に登場します。自噴する温泉が数多く存在し古くから人々に利用されてきました。その古の利用イメージは、アニメ映画「もののけ姫」の中にも描かれているほどです。

湯原温泉の砂湯とは?

湯原温泉の自噴する温泉の中でも旭川の川底から砂を噴き上げながら湯が沸く「砂湯」は、昭和44年9月発行の機関誌『温泉』で掲載された「露天温泉番付」で西の横綱にランクされた露天風呂です。
目の前には、湯原ダムがせまる迫力あるロケーションです。

砂湯には「美人の湯」「子宝の湯」「長寿の湯」の3つの風呂があり、「長寿の湯」は熱め、「美人の湯」と「子宝の湯」はぬるめで広々しています。泉質は、低張性アルカリ高温泉ですので、お肌がすべすべになるお湯ですね。しかも、それで無料なんてびっくりです。

参考サイト https://www.maniwa.or.jp/web/index.cgi?c=spot-2&pk=8

湯原温泉の「砂湯」が有名なもう一つの理由とは?

湯原温泉のシンボル「砂湯」。
旭川の川底から砂を噴き上げながら湯が沸くほかに、有名なのが、いまどきでも混浴の無料公衆露天風呂なのです。

女性が入浴するのはちょっとはずかしい。
そこで地元では2012年から「砂場の入浴スタイル」を提案。男女ともタオルを着用することで女性にも気持ちよく利用してもらおうと考えました。

しかし、水着は利用不可で結果、男性の利用が圧倒的多数でした。そこで湯原温泉がある真庭市と大手下着メーカー・ワコールの共同開発で「湯あみ着」を作りました。ワンピース型で地元旅館の女将の意見も取り入れ、透けずまとわりつかず着心地がいいと評判です。

旅館などで販売、レンタルしているので、女性でも安心してはいれるようになりました。しかしながら今の時代だと、混浴風呂はむしろ貴重な存在かもしれません。


湯原温泉を湯河原温泉と間違うのか、湯河原温泉を湯原温泉と間違うのか、どっち?

昭和44年9月発行の機関誌『温泉』で掲載された「露天温泉番付」で西の横綱にランクされたようですが、この番付あまり有名ではなく、ほとんど知られていないマイナーなものです。

最も古い温泉番付として知られていて有名なのが「諸国温泉効能鑑(しょこくおんせんこうのうかがみ)」という江戸時代に番付された温泉番付で、当時人気の相撲の番付にならって、大関、関脇、小結、以下前頭と番づけされています。ここで、気になる両温泉ですが、なんと湯河原は東の前頭1段目に番付されており、相当温泉の効能としての評価は高かったようです。

湯原温泉も、西の前頭2段目に番付されており、両温泉とも、昔から全国でも有名な温泉であったと思われます。
しかしながら川底から砂を噴き上げながら湯が沸く「砂湯」のイメージの温泉名はどっち?という選択になるなら、知らない人は湯原より湯河原のほうが川底から砂を噴き上げながら湯が沸くイメージに近いですよね。

実際、いくつかの湯原温泉のサイトで、湯河原温泉という誤字を見つけることができます。



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湯河原温泉に「砂湯」は無いの?誤解される理由を解説!【まとめ】

結論としては、湯原温泉を湯河原温泉と間違っているようです。まだ、関東の神奈川県と関西の岡山県だから、間違いに気づきやすいですが、実際近隣にあったら混乱必須の温泉名です。

例えば、お隣の熱海温泉とその先の熱川温泉でさえ間違う人も多いと聞きますし、ネットの文字検索は、特に違和感なく間違う可能性が高いのでご注意を!!