広島カープの低迷の原因は?回復に向けて行ったこととは

2016年に25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島カープ。

2017年、2018年にも優勝し、リーグ3連覇を成し遂げました。

四半世紀ものあいだ、カープはなぜ優勝できなかったのでしょうか。

何がカープの低迷の原因となったのでしょうか。


大きな原因は、「FA制度」と「ドラフト逆指名制度」(のちに自由獲得枠制度、希望入団枠制度と名称変更)にあったようです。

風向きが変わったのは、2007年の希望入団枠制度廃止後でした。

カープを長年苦しめた2つの制度について、詳しく見ていきましょう。



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広島カープの低迷の原因

FA制度による低迷

広島カープの低迷の原因の1つとして、FA制度があります。

そもそもFAとは、「フリーエージェント」のことで、どの球団とも選手契約を結べる権利をもつ選手のことを言います。

他球団とも契約交渉をすることができるようになるため、資金力のある球団が有利となります。

広島カープは資金力が乏しいために、FA制度を上手く活用できていませんでした。

権利を行使して出ていく選手は引き留められないですし、他球団にFA権を行使する選手がいても獲得することができないのです。

2016年までに、国内FAでは川口和久、江藤智、金本知憲、新井貴浩、大竹寛、木村昇吾の6人が去り、海外FAでは黒田博樹、高橋健の2人が去りました。

さらには、ポスティングシステムで前田健太がいなくなってしまいます。

球団で育てたエースや4番の選手にこれだけ出ていかれてしまえば、豊富な資金力で補強を続ける球団に対抗することは困難です。

有力選手に逃げられてしまったチームは弱体化し、負けが多くなることでファンが離れ、球団の収入が落ち込み、更なる資金力低下につながるといった悪循環に陥ってしまっていたのでした。

負けがほぼ確定しているのなら、観戦していても面白くないですよね。

これが、1つの低迷の原因です。



ドラフト逆指名制度による低迷

広島カープのもう1つの低迷の原因として、ドラフト逆指名制度があります。

この制度は、大学生と社会人野球の選手で、1球団につき2名までの対象選手が、自分の希望するチームを宣言することができるという制度です。

2001年秋のドラフト会議から「自由獲得枠制度」と名前を変え、大学生、社会人野球の2名以内をドラフト会議前に獲得できるシステムとなり、2004年には入団枠を1名に改正した「希望入団枠制度」となりました。

ここでも、資金力の乏しさゆえの苦しみが続きます。

獲得したい選手がことごとく他球団を逆指名してしまうのです。

広島カープが行使した「逆指名」は、12球団で最も少ない8人でした。

その中には、他球団では確約ではなかった1位指名を確実に受けることができることや、地元が広島であることなどが、逆指名を受けた理由であったという選手もいました。

この制度は2006年を最後に廃止されましたが、その後の広島カープのドラフトが成功しているということから、ドラフト逆指名制度はカープの低迷の原因であったと言えます。

カープはプロ野球球団唯一の市民球団として有名ですが、そのことが球団を長い間苦しめていました。



回復に向けての動向

低迷の原因であったFA制度は変わらず存在するものの、広島カープへの残留を決意する選手は少なくはありません。

2023年にFA権を行使できるのは、西川選手、磯村選手、上本選手、中崎投手の4人ですが、このうち3人はすでにカープ残留を明言しました。

選手皆さん人気ですから、球団からしたらとてもありがたいことだと思います。

応援する選手がカープに留まってくれることはファンにとってもうれしいことですね。

それに加え、2009年にマツダスタジアムが開場したことは、客足を増やし、資金力を増加させる要因となりました。

遊び心あふれる球場には、通常の座席に加え、寝そべりながら観戦できる「寝ソベリア」や焼き肉をしながら観戦できる「びっくりテラス」など、いろいろな種類の座席があります。

フードコートも充実していて、毎回何を食べるか悩んでしまいます。

ファンの数は広島県の人口を上回っており、ファン人口が球団本拠地の人口を上回っているのは12球団で唯一広島カープのみです。

今では多くのファンに支えられており、資金面での心配は以前ほどではなくなったと言えるでしょう。



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広島カープが低迷の原因【まとめ】


広島カープの低迷の原因について明らかにしてみました。

市民球団であることで、資金力に乏しかったカープ。

FA制度、逆指名制度に影響を与え、大きなデメリットとなってしまっていたようです。

しかし今では多くのファンに支えられており、力を取り戻しつつあります。

低迷し続けてもなお応援し続けたファンがいることは、球団にとってとても心強いでしょう。

これからもリーグ優勝、更には日本一になれるよう、ファンとともに頑張ってほしいです!