ミナミヌマエビの飼育に牡蠣殻は必要なの?水質に与える効果を解説!

ミナミヌマエビの飼育に牡蠣殻は必要なの?水質に与える効果を解説!

熱帯魚ショップに行くと様々な水質調整剤が売られていますが、中でも歴史の古いもののひとつが牡蠣殻です。

特に金魚の世界では古くから扱われてきましたが、今も現役で活躍している信頼の厚い水質調整剤といえるでしょう。

では、ミナミヌマエビの飼育で牡蠣殻を必要とする場面はあるのでしょうか。

牡蠣殻の効果

そもそも、牡蠣殻を水槽に入れることでどのような効果が期待できるのでしょうか。

販売されているほとんどの牡蠣殻のパッケージには、「水をアルカリ性にする」と書かれています。

つまり、牡蠣殻にはpHを上げる効果があるのです。

牡蠣殻は、私たちが食用にしているカキ(牡蠣)の貝殻です。

ちょっと特殊な見た目をしていますが、カキは二枚貝の仲間で、アサリやハマグリと同じように2枚の貝をもっています。

この貝は炭酸カルシウムで構成されており、炭酸カルシウムには水をアルカリ性にする性質があるのです。

牡蠣殻の表面は細かな凸凹が無数にあるので、それらがバクテリアの住処となり、水質を良くする効果もありますが、主な効果はpHを上げること、と覚えておくといいでしょう。

また、牡蠣殻の主成分は前述の通り炭酸カルシウムです。

生き物によっては、牡蠣殻から直接カルシウムを補給することもあります。

似たような性質をもつ他の素材としては、サンゴ砂などが挙げられるでしょう。

ミナミヌマエビの飼育で必要?

では、水質をアルカリ性に調整する牡蠣殻を、ミナミヌマエビの飼育で使うことはあるのでしょうか。

個人的には、ミナミヌマエビの飼育で牡蠣殻を使ったことは一度もありません。

まず、ミナミヌマエビはさほどアルカリ性の環境を好むわけではありません。

弱酸性から弱アルカリ性まで、幅広く適応する生き物です。

牡蠣殻を入れてpHを上げたからといって悪影響があるわけではありませんが、良い影響もないと考えています。

また、ミナミヌマエビの体は外骨格と呼ばれる硬い殻に覆われており、この外骨格の維持に炭酸カルシウムが必要とされています。

このため、牡蠣殻を入れれば、牡蠣殻の主成分である炭酸カルシウムがいい補給源になると思われますが、牡蠣殻で補給しなければいけないほど多くの炭酸カルシウムを必要としているわけではありません。

特に何もしなくても、ソイルやフードから補給できる分だけで十分だと思われます。

このため、「ミナミヌマエビのために牡蠣殻をわざわざ入れてあげよう」と思う必要はありません。

もちろん、同居している他の魚などのために牡蠣殻を入れても、ミナミヌマエビには特に影響はありません。

どんなときに牡蠣殻が必要?

それでは、ミナミヌマエビを飼育していて牡蠣殻が必要になる場面を考えてみましょう。

もっとも考えられるのは、水槽のpHが低くなりすぎる場合です。

特に水質調整剤や流木、マジックリーフなどを使っていないのにpHが5や4など低い値を示すのは、水槽内で硝酸塩が大量に生産されている、つまりバクテリアが分解したあとのカスが溜まった水替え不足の環境だと考えられます。

こういった環境では、水槽内の炭酸カルシウムが不足し、ミナミヌマエビの外骨格が脆くなってしまう傾向にあります。

また、低すぎるpHはミナミヌマエビに限らず多くの熱帯魚にとってよくありません。

そのため、一時的にpHを上げる措置として牡蠣殻を使用することがあります。

あくまでも自然素材なので、余計な心配をせずに使えるのもいいところです。

ただし、水替え不足でpHが下がっている場合、pHが低い以外にも様々な影響が考えられます。

牡蠣殻でpHを上げるのはあくまで一時しのぎと考え、水質の改善をしっかりと検討しましょう。

ミナミヌマエビの飼育に牡蠣殻は必要なの?【まとめ】

ミナミヌマエビの飼育にとって、牡蠣殻は必要不可欠なアイテムではありません。

水槽内のpHを定期的に測定し、ちょっと低すぎるな、と感じたときに、水質改善までの一時措置として使用するのがいいでしょう。