ベタはフィルターなしでも大丈夫?飼育経験者が最適解を解説!

ベタはフィルターなしでも大丈夫?飼育経験者が最適解を解説!

美しく、見ごたえのあるサイズ感で、丈夫で飼育しやすいことで有名なベタですが、その「丈夫さ」という情報だけが独り歩きし、かなり粗末な扱いを受けていることもあるようです。

そのうちの1つが「ベタはコップや瓶でも飼育できるのか?」という疑問。

こちらに関しては別の記事で解説しているのでご興味のある方は是非こちらもご参考にして下さい。

そしてもう1つ、よくいただくご質問が「ベタはフィルターなしでも飼える?」ですが、今回はこちらにお答えしたいと思います。

魚の飼育にフィルターはなんのためにつける?

まず、フィルターがどんな役割をする器具なのか、ご存知でしょうか。

たいていの方は、「フィルターは水をきれいにする機械」と答えますし、それで間違いではありません

ただし、泥水をろ過して透明な水にするのとは、少し意味が違います。

魚などの生き物が生きていると、水中でフンをしたり、老廃物が出たりします。

これをそのまま放置するとアンモニアという物質が発生し、アンモニアの毒性によって生き物が死んでしまいます。

このアンモニアを食べて無害化してくれるのが、「バクテリア」と呼ばれる微生物です。

ただし、バクテリアはアンモニアを消してしまうわけではなく、どうしても「硝酸塩」という食べかすのような物質ができます。

この硝酸塩を取り除き、バクテリアが無理なく活動できるよう適度にフンなども取り除く作業が水替えです。

そして、バクテリアの主な住みかとなるのがフィルターです。

スポンジなどを使って汚れをろ過する機能もあるのですが、そのスポンジにバクテリアが住み着くことによってアンモニアを分解できるようにすることの方が重要なのです。

ベタはフィルターなしでも飼える?

では、そのフィルターがついていないとどうなるのでしょうか。

バクテリア自体はフィルターにしかいないわけではなく、水中を漂っていたり、床材に住み着いたりしています。

このため、フィルターがなくてもバクテリアがゼロになることはありません

ただし、初めからバクテリアが住み着くように設計されたフィルターがあるのとないのとでは、バクテリアの数がまるで違います。

バクテリアによるろ過機能は、フィルターなしではあまり期待できないでしょう。

アンモニア中毒を防ぐことが一番の目的なので、アンモニアが発生する前にフンを取り除き、水替えをすれば、フィルターなしでも飼育できます。

しかし、そのためにはほぼ毎日水替え作業が必要になります。

また、それだけのペースで新しい水と交換すると、ベタにもかなりの負担がかかります。決していい環境での飼育とは呼べないでしょう。

仮に、ベタの飼育水槽とは別に大きめの安定した水槽(もちろん、フィルターをきちんと設置したもの)をもっていて、毎日その水槽の水でベタの水槽を水替えするのなら、ある程度は飼えるかと思います。

ただ、ベタしか飼っておらず、水替えのたびにカルキ抜きしただけの水道水を入れていると、ベタも短命に終わるでしょう。

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ベタに適したフィルターは?

こういった理由から、ベタにはフィルターがあった方が絶対にいいはずです。

では、ベタ飼育に適したフィルターはどんなものでしょうか。

フィルターがあった方がいいとはいえ、ベタは丈夫な魚です。

あまり高性能なフィルターにする必要はありません。

また、その生態からあまり強い水流は好みません。

個人的におススメしているのは、スポンジフィルターです。

これは、原理としては投げ込み式のフィルターと同じですが、フィルター専用の高機能なスポンジがついています。

水流のわりに高機能で、水質維持にはとてもおススメです。

欠点としては、大きいので水槽内で目立ってしまいます。

見た目を気にするなら、水槽サイズに合わせたフィルターを設置し、水の吐出口をガラス面に向けて水流を和らげるといいでしょう。

ベタはフィルターなしでも大丈夫?【まとめ】

「ベタはフィルターなしでも飼えますか?」と聞かれたら、「飼えるけれどおススメしません」というのが正直な回答です。

不可能ではないけれど、ベタにとっても飼い主にとってもあまりいいことではありません。

これから飼育を考えているのなら、ぜひフィルターつきの環境で飼育してあげてくださいね。