パトカーは制限速度を守らない?~緊急時以外の最高速度

一般的には、パトカーは公共の安全を保障するために多くの場面で制限速度を守ることが求められます。

しかし、緊急時以外にパトカーが制限速度を守らないという話もしばしば耳にします。


本記事では、パトカーがどのような状況で何キロまで速度を出すことが許されているのか、リミッターの存在と最高速度に関する規則を解説します。



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パトカーは制限速度を守らない?

パトカーが制限速度を守らない場面が目撃されることもあり、これには一般のドライバーからの疑問や不安が生じることがあります。

もちろんパトカーも、パトランプを消灯しサイレンを鳴らしていない緊急走行以外の場合は一般車両と同様に道路交通法の下で運用され、通常状況では一般のドライバーと同様に制限速度を守る必要があります。

道路交通法施行令の第十四条に「緊急自動車の要件」というものがあり、「前条第一項に規定する自動車は、緊急の用務のため運転するときは、道路運送車両法第三章 及びこれに基づく命令の規定(道路運送車両法 の規定が適用されない自衛隊用自動車については、自衛隊法第百十四条第二項 の規定による防衛庁長官の定め。以下「車両の保安基準に関する規定」という。)により設けられるサイレンを鳴らし、かつ、赤色の警光灯をつけなければならない。」と規定されています。

つまり、緊急走行以外は制限速度を超えてはいけないのですが、にもかかわらず、実際には制限速度を超えて走っている場合があります。

これには二つの状況が考えられます。

一つは、取り締まり任務中の場合。

スピード違反の取り締まりを行う時には、サイレンを鳴らさずパトランプも付けなくてよいことになっており、速度も例外的に無制限となります。

高速道路や信号が少ない幹線道路では、よく見かける追尾式の取り締まりです。

ただし、一般的には緊急走行時にもスピード制限があり、一般道と片側1車線の高速道路は80km/h、片側2車線以上の高速道路は100km/hとなっています。

もう一つは、残念ながら交通違反を犯してしまっているパトカー。

制限速度を勘違いしているのか、明らかに速度が速いパトカーは稀に見かけます。

そのような場合は、通報すれば取り締まり対象になります。


リミッターと最高速度

次に、パトカーの速度制御における「リミッター」という装置に焦点を当てましょう。

リミッターというのは、車両の速度が特定の上限を超えないように制御するもので、日本国内は時速180キロで作動するのが一般的です。

これは、クルマが過度な速度で走行することを防ぐための安全対策で、パトカーにもついています。

そのせいか、時速180キロ出せば逃げ切れるという都市伝説がまことしやかに語られていて、某クルマ系の大人気映画でもそんなセリフがありますが、これは嘘です。

悪質なスピード違反が多い高速道路に配備されている高速警察のパトカーは、リミッターが解除されていることも多くあります。

その昔、道路上では実際に逃げ切った人もいたようですが、それは安全上の理由で追うのをやめただけで、ナンバーを控えられ、高速出口で待ち伏せしたり、自宅を割り出されて在宅検挙されることもあります。

最近ではヘリコプターで上空から追尾することもあります。

中にはGT-RやNSXといったスーパースポーツカーのパトカーもあり、何キロまで出るかなどと考えるのが無駄なほど速いパトカーも存在します。



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パトカーは制限速度を守らない【まとめ】

パトカーは緊急走行時においても制限速度がありますが、スピード違反取締時は速度制限が撤廃されるため、リミッターが作動する時速180キロ以上出せば逃げ切れるとは考えないようにしましょう。

取り締まりではなく、捜査で逮捕されることもあり、基本的に逃げ切れるということはありません。

ちなみに、街中でパトカーを見かけると、パトカーを追い抜かないようにゆっくり走っているクルマをよく見かけます。

制限速度内で安全な状況であれば、パトカーを追い抜いたり、追い越すことは違反にはなりませんので、やみくもに速度を落とすようなことはしないようにしましょう。