ピッチャーが手を舐める理由は?あの大谷翔平選手も指を舐めていた!

大谷翔平選手がマウンドで手を舐める行為は、しばしば見られます。

大谷翔平選手に限らず、ピッチャーが投球前に手を舐める仕草は、日米問わず、よく見かける光景です。

ピッチャーが手を舐める行為には、滑りの防止や、ロジンを落とす、身についてしまった癖、などの理由があげられます。

この行為自体、違反にはならないのでしょうか?


疑問を持たれる人も多いかと思います。

実際にマウンドで手を舐める行為は投手の禁止事項として規則に定められています。

細かい規定があり、大谷翔平選手の場合は抵触しない範囲での行為とみられているのかもしれませんね。

今回は、ピッチャーがマウンドで手を舐める行為について、深堀りしてみたいと思います。



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ピッチャーが手を舐める行為は、野球規則で禁止されている

公認野球規則6.02(C)投手の禁止事項(1)には、以下のように記されています。

「投手が投手板を囲む18フィートの円い場所の中で、投球する手を口または唇につけた後にボールに触れるか、投手板に触れているときに投球する手を口または唇につけること。」

「投手は、ボールまたは投手板に触れる前に、投球する手の指をきれいに拭かなければならない。」

実際に、2022年、トロントブルージェイズの菊池雄星投手が投球前に指を舐めた際、審判から「ボール」を宣告され、打者を四球で歩かせてしまいました。

プレートに足を乗せた後、おそらく無意識に指をペロリと舐めてしまったのでしょう。

大谷翔平選手の場合、手を舐めた後に、何らかの方法で手をきれいに拭いていたのかもしれません。

審判は日頃から投手のマウンド上での仕草をチェックしているようですね。



手に唾液をつけるとスピットボールとなり、予測不能に動く危険な球となる

ではなぜ手を舐める行為が違反なのでしょうか。

それは、球に唾液をつけるスピットボールとみなされるからです。

同じように不正となる球としては、他にも、シャインボール(摩擦ですべすべにする)・マッドボール(泥を塗る)・エメリーボール(異物でざらざらにする)などがあり、すべて違反となります。

球に異質な物質、例えば唾液を塗ることにより、予測不能に動く投球となることから、打者の安全を考慮し、禁止投球となりました。

不正投球は日本のプロ野球ではあまり話題になりませんが、メジャーリーグでは度々不正投球の疑惑が持ち上がるようです。

1998年から2年間千葉ロッテマリーンズでストッパーとして活躍した元メジャーリーガーのブライアン・ウォ―レン投手が、相手チームから「球に傷をつけている」と抗議を受け、物議をかもしたことなどもありましたね。



指を舐めてしまう行為には、プレーに関わるいくつかの理由があった

とは言え、テレビ中継などでもピッチャーが手を舐める行為はたまに見かけます。

違反投球すれすれの仕草でありながら、なぜピッチャーは手を舐めるのでしょうか?

一つ目の理由は、指先を湿らすことでコントロールを良くするためです。

指が乾燥していると、どうしても球が滑ってしまい、細かいコントロールがつかなくなります。

その防止のためと考えられます。

二つ目の理由は、滑り止めとして使用したロジンを落とすためです。

ロジンとは、マウンドの端に置かれた手の滑り止め用の白い粉のことです。

とは言え、このロジンも球に直接つけることは同じく禁止されています。

そのため、投球に入る前に、指に付着したロジンを落としているということが考えられます。

三つ目の理由としては、菊地雄星選手のように一種の癖になっている可能性があります。

マウンド上で気持ちを高ぶらせたり、強い緊張感に襲われるときに、どうしても無意識に余計な仕草をしてしまうことはあります。

プレートに足を置いたら無駄な動きはしない、と心がけておく必要がありますね。



意見が割れる指舐めのマナー。ピッチャーにとっては一つのルーティンに

大谷翔平選手がWBCで頻繁に手を舐める行為はテレビなどを通して全国に中継されることとなり、ファンの間でも話題となりました。

「少しでも良い球を投げるため」と好意的な意見もあれば、コロナ禍ということもあり「不衛生」「マナーとしてはどうか」などという意見もありました。

確かに子供が真似をする可能性もあり、あまり褒められた行為とは言えないかもしれません。

ただ、気合注入のサインであったり、集中力を高める独特の儀式ととらえるファンも多いような気がします。

マウンド上では孤独で、繊細と言われるピッチャーにとっては、大事な局面での「指舐め」も自分を落ち着かせる大切なルーティンの一つになっているのかもしれませんね。




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ピッチャーが手を舐める理由とは?【まとめ】

ピッチャーが手を舐めるその仕草は、不正投球とされてしまう可能性があります。

ただ、マウンドに上がる前だったり、舐めた後にその手をきれいに拭いておけば、ひとまず問題にはならないようです。

プロの投手である以上、もちろんその点は承知の上で、違反にならない範囲でぺろりとやっているのでしょうね。

外国人選手がよくグラウンドで唾を吐きだす行為が見られますが、それと同じように、確かにマナーとしてはいかがなものかなと思うところもあります。

ただ、細かなルール違反は現場の審判がその都度判断することです。

ファンとしては、心を震わす熱いプレーを見せてくれる選手の一挙一動に注目し、ピュアな気持ちを持って、一緒にグラウンドで戦っている気分に浸りたいものですね。