プロ野球の年間試合数は何試合?年間試合数を過去にさかのぼって調べてみた

プロ野球のレギュラーシーズンは毎年3月の終わり頃に開幕し、9月の終わりから10月初めころに閉幕を迎えます。

おおよそ半年にもわたる、長いシーズンです。

その他にもキャンプやオープン戦、ポストシーズンなど、プロ野球選手の一年は多忙を極めます。


現代のプロ野球は、セリーグ・パリーグとも、各チーム年間143試合が開催されます。

プロ野球の歴史において、年間試合数は、セリーグ・パリーグのチーム数の変化や、国内外の社会情勢や国際イベントの関係などにより、増減してきました。

今回は日本のプロ野球の年間試合数について、様々なパターンで解説します。



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プロ野球の年間試合数は143試合。中には最大159試合するチームもある!?


現代のプロ野球の年間試合数は、各チーム143試合です。

ホーム試合・アウェイ試合がそれぞれ72試合もしくは71試合となります。

この数字には、セ・パ交流戦は含まれますが、クライマックスシリーズや日本シリーズは含まれません。

セ・パ交流戦は2023年は各チーム18試合行われました。

クライマックスシリーズはセリーグ・パリーグ各1位から3位までのチームが出場しますが、その順位や勝敗によって実際行われる試合数が変わります。

例えば、2位または3位でクライマックスシリーズに進出した場合、最大でファーストステージ3試合、ファイナルステージ6試合戦うこととなり、計9試合。

さらに勝ち抜けば日本シリーズで最大7試合(引き分けがあった場合はさらにプラス)試合をすることとなります。

プロ野球の各チーム最大の目的は日本一であり、それを勝ち取るためには、現在のシステムで言えば、143試合プラス9試合プラス7試合となり、最大159試合もしなければならないのですね。

まさに激闘の末に掴んだ日本一となります。

なお、シーズン公式の個人成績や年間の個人タイトルは143試合行われるレギュラーシーズンでの成績のみが反映されることとなります。



戦争やチームの数の増減によって、年間試合数は変わってきた

プロ野球は1936年から正式にスタートしましたが、この年は1リーグ制の7チームで、各チームの試合数も31試合~26試合とバラバラでした。

その後、春秋の2シーズン制やチーム数の増加など、創成期ならではの不安定なシーズン運営が続き、試合数も増えます。

戦前最後のシーズンとなる1944年は、戦争の影響で各チーム選手確保に苦労し、中には解散をしてしまうチームも出てきたため、全6チームでそれぞれ僅か35試合となりました。

戦後最初のシーズンとなる1946年、チーム数は8チームに増え、試合数も各105試合と初めてシーズン100試合を越えます。

プロ野球がセリーグとパリーグに分裂した1950年は、セリーグ8チーム・パリーグ7チームとチーム数が異なっていたため、セリーグが140試合~137試合、パリーグが120試合となります。

その後はチーム数の増減などもあり、毎年のように試合数が変わりましたが、セリーグ・パリーグ6チームずつとなり、試合数も130試合前後と落ち着き始めます。

1969年から1996年までの間、セリーグ・パリーグ全12チームともに130試合制が長く続きました。

1997年からは再び試合数が増え始め、現在の143試合となったのは2015年からです。

なお、もっとも年間試合数が多かったのは、高橋ユニオンズの誕生で8チームとなった1956年のパリーグで、154試合行われました。



かつては多かったダブルヘッダー。試合数によっては日程消化が厳しくなる

年間試合数が多いと、選手の負担はもちろんですが、日程的にも詰め込まれたスケジュールとなります。

年間試合数が140試合だった1964年は東京オリンピックが開かれた年です。

10月10日に行われるオリンピック開幕式までのシーズン終了が求められ、セリーグでは83回のダブルヘッダーが組まれます。

この年、シーズン最終盤まで大洋ホエールズと優勝争いを続けた阪神タイガースは、シーズン最終日の9月30日のダブルヘッダーでようやく優勝を決めます。

しかし日本シリーズは翌日10月1日から開催されるというあまりにも過酷な強行日程となりました。

今ではほとんど行われなくなったダブルヘッダーですが、プロ野球では1998年を最後に、セリーグ・パリーグ共に開催されていません。

これは、かつては現代よりも交通網が発達していなかったことや、ドーム球場がなく日程が天候に左右されやすかったことも要因とされています。

ただ、今後もシーズン最終盤においては日程消化のためのダブルヘッダーが行われる可能性はあります。



プロ野球の年間試合数の違いはタイトルや日本記録に影響することも!?

年間試合数が変わることで影響があるのは、選手の負担だけでなく、個人成績にも関わります。

読売ジャイアンツの王貞治選手が当時の日本記録55本塁打を打った1964年、読売ジャイアンツは年間140試合でした。

1985年、阪神タイガースのランディ・バース選手はその記録に挑みますが、54本塁打とわずかに及ばずシーズンを終えています。

落胆するランディ・バース選手に、周囲は「王貞治選手が55本打ったのは140試合の時。君は130試合で54本打ったのだから君の方がすごい」と慰めたと言います。

2013年、ヤクルトスワローズのウラディミール・バレンティン選手が、シーズン60本塁打の新記録を樹立します。

この年、ヤクルトスワローズは年間144試合だったのですが、ウラディミール・バレンティンは130試合の出場で60本塁打を達成しています。

適度な休息もあり、体調も年間通して維持できたのかもしれませんね。

本塁打のように、数を競うタイトルの場合は、当然試合数が多い方が有利になります。

単純に数だけでどちらがすごいことか、厳密な比較は難しいところですね



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プロ野球の年間試合数は【まとめ】

今回はプロ野球の年間試合数について、過去にさかのぼり調べてみました。

年間試合数という一つの仕組みを深堀してみるだけでも、プロ野球の歴史や出来事、様々なエピソードが発見でき、とても興味深いですね。

また、オリンピックやここ数年の感染症の流行など、その時々の社会の動きも反映されていて、改めてプロ野球というコンテンツがその時代背景を映し出すものだということも感じます。

現在では、選手の身体の負担を軽減するために調整期間を設けるなど、ゆとりのあるスケジュールとする傾向も見られます。

今後さらに試合数が増えると、日本のプロ野球でも、いずれはメジャーリーガーのようにシーズン中に選手に休養日が付与されるようになるかもしれません。

ファンの楽しみを削ることなく、選手の負担を減らし、最大限のパフォーマンスを発揮できる環境づくりがとても大切なことに思えてきましたね。