アウディに乗る人は?その年収を推定して特徴を探る!

アウディはドイツの自動車メーカーで、フォルクスワーゲン・グループの傘下企業です。

(※写真はイメージです))

大衆車を担うフォルクスワーゲンに対し、高級車のブランドとして認知されています。



そのため、アウディに乗る人はどんな人なのか、気になっている方も多いと聞きます。

同じドイツの高級車と言えば、メルセデス・ベンツやBMW等もあります。

つまり、他のドイツ車とアウディの違いは、そのまま購買層の違いにもつながっていると考えられます。



高級車ブランドですから、年収といった特徴も現れているかもしれません。

そこで今回は、アウディに乗る人の特徴を、年収という切り口から探ってみます。



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アウディの価格帯と乗る人(購買層)について

アウディに乗る人の特徴と年収を正確につかむ方法は、次の2つのいずれかです。

1つは、アウディの販売会社が顧客データを公開することです。

もう1つは、アウディに乗る人が積極的に属性や年収を公開することです。



どちらも限りなく不可能であることは、自由研究を経験した小学生でもわかるでしょう。

そこでこの記事では、アウディに乗る人の年収を推定し、そこから特徴を探るという手順をとります。

日本でのアウディの価格帯

まずは、2023年11月1日現在、日本で販売中の新車アウディをピックアップします。

そのうえで、各車種の最新モデルのうち、最安グレードの価格を昇順に整理しました。



調べたところ、現在日本で購入できる新車アウディは57車種です。

これら全車種の価格を列挙すると大変なので、以下では100万円きざみで車種の数を示しておきます。
・300万円~400万円未満:3車種

・400万円~500万円未満:4車種

・500万円~600万円未満:2車種

・600万円~700万円未満:6車種

・700万円~800万円未満:5車種

・800万円~900万円未満:5車種

・900万円~1,000万円未満:9車種

・1,000万円~2,000万円未満:20車種

・2,000万円以上:3車種
1,000万円以上の車種が23を数え、やはり高級車ブランドなのだと確認できます。

日本国民の平均年収から潜在的購買層を探る!

アウディの新車価格を100万円きざみで見たわけですが、これは日本国民の年収分布と照合しやすくするためです。



日本国民の年収(正確には年間所得で、自営業者等の収入も含みます)は、厚生労働省がまとめている「国民生活基礎調査」で確認することができます。

さっそく2022年版を確認してみると、次のような分布となっています。
・400万円未満:47.0%

・400万円~500万円未満:10.3%

・500万円~600万円未満:8.4%

・600万円~700万円未満:7.3%

・700万円~800万円未満:6.2%

・800万円~900万円未満:4.9%

・900万円~1,000万円未満:3.6%

・1,000万円~2,000万円未満:11.2%

・2,000万円以上:1.4%
こうした年収分布と照合すると、アウディは年収上位の日本国民約4割を潜在的購買層としてマーケティングを行うことになります。

数としては十分多いと感じるかもしれませんが、そうした年収の高い方々はブランド価値にもうるさいので、アウディは他の高級車ブランドとシビアな競争を展開することになります。

アウディの世界的な地位とは?

世界的に見ると、アウディに乗る人は、どんな特徴を持っているのでしょうか。

Tim Meyer氏のレポートによると、メルセデス、BMW、アウディの3社はドイツの「スーパー3」と呼ばれ、3社の車種は世界で販売される高級車の半分以上を占めています(“The market position of the automobile company Audi” 〈https://www.grin.com/document/520136〉 2023年11月6日閲覧)。



そして、アウディを好む富裕層は、メルセデスやBMWに比べると技術的な革新性に惹かれているようです。

つまり、メルセデスやBMWの保守性に飽き足らない、新し物好きの富裕層ということです。

日本でのアウディの人気とは?

アウディに乗る人の世界的な特徴は、日本でも当てはまるのでしょうか?

データからの推論を試みてみましょう。

日本でのアウディの販売台数

ここ最近、アウディは日本での販売台数を伸ばしています。

日本自動車輸入組合が発表した2022年度輸入車新規登録台数を調べると、アウディは前年度比10.7%増の22,905台でした。

日本車の逆輸入を除けば、アウディは堂々の4位です。



ちなみに、トップはメルセデス・ベンツの52,726台(前年度比4.3%増)、2位がBMWの31,744台(前年度比5.6%減)、3位がフォルクスワーゲンの31,415台(前年度比10.3%減)でした。

また、世界的にも販売台数が増えています。

こうした変動は、明らかにアウディのマーケティング戦略が成功していることを示しており、ここからアウディに乗る人の特徴も読み取れると思われます。

他のドイツ車とのイメージの違い

世界共通の傾向として、アウディの車種でもっとも販売台数の伸び率が大きいのは、電気自動車です。

アウディの電気自動車にはe-tronという呼称が追加されており、近年は一種のブランドとなっています。



アウディは、もともと技術革新に強みを持っていましたが、ディーゼルエンジンでの不正が2015年に発覚し、世界的に販売台数が落ち込みました。

つまり、e-tronはアウディ起死回生の秘策であり、近年その成果が現れ始めたということなのです。

ドイツの高級車ブランドでありながら、アウディは最新技術の摂取に熱心で、そうした姿勢が意識の高い顧客を取り込んでいることがうかがえます。

日本でアウディに乗る人の特徴とは?

ここまでの検討で、どちらかと言うと保守的なメルセデスやBMWに比べ、アウディは革新性を売りにしてきたことがわかります。

環境問題にも敏感な、年収が高いながらも意識の高い購買層が、アウディの顧客ということになります。



しかし、わざわざ輸入車を選ぶ人というのは、単に環境問題への意識が高いだけではないでしょう。

ある研究によると、自動車の保有動機には、実用性といった合理的なものだけではなく、趣味性や優越感といった非合理的なものも常に存在し、その傾向は地方都市の住民でも見られることが示されています(浅野周平・大門創・島実里「地方都市における自動車の非合理的な保有動機に関する研究」『第41回交通工学研究発表会論文集』所収)。



したがって、公共交通が便利なはずの大都市の住民ともなれば、輸入車を選ぶ動機としての非合理的な要因はますます強まるはずです。

つまり、高収入で意識も高い都市住民というのがアウディの潜在的顧客層であり、これはアウディの開発コンセプトともピタリと一致します。



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アウディに乗る人は?その年収を推定して特徴を探る!【まとめ】

今回は、年収という切り口から、アウディの乗る人の特徴を推論してみました。

もっとストレートにSNS等で検索すればよいのではないかと考える人もいるかもしれませんが、それでは明らかに偏りが出ます。

SNS等で情報を積極的に発信する人は一部であり、しかも輸入車のマイカーを積極的に「自慢」する人は、もっと限られています。



事例研究の題材としては使えますが、データからの推論というプロセスが大前提です。

最後に付け加えれば、高収入だが意識は高いという点から、アウディに乗る人は高学歴で若い傾向があるとも言えそうです。