スカイラインのタイプSPの違い!その特徴と人気とは?

スカイラインは日産の人気車種ですが、歴代モデルにはいくつものグレードがあります。

標準グレードから最高級グレードまでには大きな価格差があり、単なるエンジンや形状の違いを超えて、ファンの購買意欲を刺激します。


とりわけ、2006年に発売された12代目V36型からは、最高級グレードにタイプSP(Type SP)の名称が冠され、標準グレードより数十万~100万円ほど高くなっています。

最高級グレードなのはわかりますが、このタイプSPの特徴や標準グレードとの違いとは、いったい何なのでしょうか。

意外と知らない車好きも多いと思いますので、今回は歴代タイプSPの特徴や、中古相場に見る人気についてご紹介します。



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スカイラインV36型タイプSPの特徴

タイプSPが初めて設定されたV36型のグレードは、大まかに250GT、350GT、370GTの3つに分けられます。

250GTが標準タイプと言えるもので、370GTが最上グレードとなります。

そして、タイプSPは350GTと370GTにしか設定されていません。

一言で言ってしまえば、他のグレードでは一部しか付いていないオプションがみんな付いていることこそ、タイプSPの特徴ということです。

だから高いわけですが、以下では構造と外観の2点から、標準グレードとタイプSPの違いを整理しておきましょう。

*スカイラインV36型タイプSPの構造上の特徴

構造上の特徴としては、何と言っても豪華なオプション品がみんな付いてくるので、本革シートやリクライニングシートが当たり前に装備されています。

そのため、内装を一目見ただけで標準グレードではないことがわかります。

また、ややマニアックな注目点ではありますが、横滑り防止装置に加え、ハンドル上でギア操作を可能とするパドルシフトなど、運転上のストレスを軽減する、当時としては最新の技術も当然に装備されていました。

*スカイラインV36型タイプSPの外観上の特徴

内装等を見れば一目瞭然でしたが、外観だけを見ても何となくわかります。

標準グレードに比べると、まずタイヤが若干(1インチ)大きくなり、バンパーも専用のものになります。

さらに、飛び石等による被害を防ぐことを目的としたサイドシルスポイラーという装備もドアの下に付いています。

タイプSやタイプPというグレードもありましたが、それらにはここで紹介した装備の一部しか付いていませんでした。

そのため、ここで紹介した装備がみんな付いていればタイプSPと見て間違いありません。



スカイラインV37型タイプSPの特徴

2014年に13代目V37型が発売されましたが、スカイラインとしては初のハイブリッドモデルが投入されるなど、グレードが多様化しました。

ところが、2019年のビッグマイナーチェンジではグレードが再編され、シンプルになりました。

どちらにもタイプSPが設定されており、標準グレードとの違いは基本的に共通ですので、ここではまとめて見ておきましょう。

*スカイラインV37型タイプSPの特徴

先代のV36型タイプSPとの違いを一言で表現すれば、よりスポーティーになったということです。

V36型でも、サイドシルスポイラーなど、外観をスポーティーに見せる装備はあったのですが、V37型ではより強く意識されています。

車好きの方であれば聞いただけでおわかりと思いますが、スポーツカー特有のスポーツフロントバンパーやアルミペダルが採用されています。

そしてタイヤサイズも、標準グレードより2インチほど大きくなりました。

このように、高級感よりもスポーティーさを前面に出して差別化した点が、V37型タイプSPの特徴になります。

*400Rとの違い

ちなみに、2019年のビッグマイナーチェンジ後は、走りに特化した400Rというグレードも設定されました。

この400RはタイプSPを基本としているため、構造や外観における違いはほとんどありません。

とにかく搭載されているエンジンがすごいということで、スカイラインとしては初の400馬力を達成しています。

いずれにしても、車好きでないとわからない違いしかないということです。



スカイライン中古相場に見るタイプSPの人気

オプションをあれこれ付けて高額化したタイプSPですが、スカイラインの1グレードとして、その人気はどれほどなのでしょうか。

今回は最後に、タイプSPの中古相場をのぞき、その人気を測ってみましょう。

新車価格よりも中古価格の方が、その車種の人気を正確に反映しているものです。

*タイプSPの新車価格はどれほど高かったのか

中古相場の方が重要なのはその通りですが、まずは新車価格における標準グレードとタイプSPの価格差を整理しておきましょう。

新車価格は、オプションの追加に加え、消費税の値上げ等でも変更されたりしますので、ここでは最終の発売モデルにおける新車価格を整理しておきます。

また、あまり細かい数字で示しても意味がないので、千円単位で四捨五入します。

まずはV36型ですが、次のような価格設定でした。

・350GTタイプS→348万6千円

・350GTタイプSP→380万1千円(価格差は約31万5千円)

・370GT→446万円

・370GTタイプSP(AT車)→543万2千円(価格差は約97万2千円)

次にV37型ですが、まず前期です。

・200GT-t→416万5千円

・200GT-tタイプSP→471万3千円(価格差は約54万8千円)

・350GTハイブリッド→495万5千円

・350GTハイブリッドタイプSP(FR車)→556万円(価格差は約60万5千円)

最後にV37型の後期です。

・GT→457万円

・GTタイプSP→590万円(価格差は約133万円)

・ハイブリッドGT→558万円

・ハイブリッドGTタイプSP(FR車)→616万円(価格差は約58万円)

このように見てくると価格差はさまざまで、正直なところ価格設定の根拠は曖昧です。




*タイプSPの中古相場はどれほどか

最後に、本題であるタイプSPの中古相場をのぞいてみましょう。

価格は、某中古車検索サイトにおける2023年10月4日時点のものです。

まずV36型ですが、全部で351台ヒットし、車両本体価格の最高は2013年式250GTの583万円でしたので、タイプSPではありませんでした。

タイプSPは54台ヒットし、車両本体価格の最高は2012年式370GTタイプSPの279万円でした。

次にV37型前期ですが、全部で277台ヒットし、車両本体価格の最高は2019年式350GTFOURタイプSPで、389万円でした。

277台のうち、実に92台がタイプSPでした。

最後にV37型後期ですが、全部で109台ヒットし、車両本体価格の最高は2022年式400Rの687万円でした。

タイプSPは25台を占めましたが、車両本体価格の最高は2019年式GTタイプSPで、499万4千円でした。

このように見ると、V36型タイプSPは、価格差のわりには人気がなく、中古相場は安くなっていることがわかります。

他方でV37型の場合、前期モデルこそタイプSPが最高値でしたが、後期モデルでは400Rの人気に押されていることがわかります。



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スカイラインのタイプspの違い【まとめ】

今回は、スカイラインV36型とV37型で設定されているタイプSPの違いについて見てきました。

要するに、様々なオプションが付加されているから高いという単純な図式で、エンジンが特別だとか、走行性能が優れているとかいった特徴は特にないということです。

中古相場を見ても、とりたてて人気があるわけではありません。

真の車好きはエンジンや走行性能を吟味しますから、外観や内装の豪華さなどには目もくれなかったということではないでしょうか。