インターチェンジ・ジャンクションの違いその基本から意味を確認しよう!

高速道路には、信号や交差点がありません。

高速道路のあらゆる設備は、自動車が高速で走行できるように設計されています。

自動車を本線に乗せるためのインターチェンジやジャンクション、ランプは代表例です。


ところで、この3つの違いを正確に理解できている方は、どれだけいるでしょうか。

インターチェンジとジャンクションの意味は何となくわかっても、ランプと言われると意味まではわからないという方も多いでしょう。

そこで今回は、高速道路の基本的な設備であるそれら3つの意味と違いを確認していきましょう。

高速道路に抵抗感のある方も、少し走ってみたくなるかもしれません。



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インターチェンジの意味

インターチェンジはICとも略されます。

たとえば、東名川崎ICや調布ICといった具合です。

*インターチェンジの正確な意味

高速道路の出入口がインターチェンジの意味という点は、わりと理解されているのではないかと思います。

ただし、世界標準の意味と日本における意味では、やや異なります。

世界標準の意味におけるインターチェンジとは、道路同士の結節点を意味します。

ですから、高速道路と一般道に限らず、高速道路同士の結節点もインターチェンジと呼ぶことがあります。

それに対して日本では、高速道路と一般道の結節点、つまり高速道路の出入口のみを特にインターチェンジと呼びます。




*スマートICとは?

ここ10年ほどで急速に増えた高速道路の設備として、スマートICがあります。

これは、高速道路の休憩施設であるサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)に併設されたインターチェンジを指します。

ほぼ例外なく、ETC専用のゲートしか設けていないため、正規のインターチェンジより小ぶりという意味でスマートICと呼ばれます。

ETC専用という点以外に、通常のインターチェンジとの違いはあまりありませんが、サービスエリアやパーキングエリアに併設されているため、歩行者等に注意する必要があります。



*一般道のインターチェンジ

首都圏の方にとってはなじみが薄いかもしれませんが、地方に行くと一般道同士のインターチェンジもあります。

一例としては、国道4号と国道45号が交わる苦竹IC(宮城県仙台市)があります。

また、北海道の国道337号や、新潟県の国道17号等にも、一般道との複数のインターチェンジがあります。

これらの地域に共通するのは、郊外に広い土地を確保しやすいということと、クルマ社会だということです。

したがって、大都市圏ではなかなかお目にかかれない設備となります。

ちなみに、こうした一般道同士のインターチェンジは、必ずしも走行速度が安定せず、車線もわかりにくかったりするため、初心者にとっては高速道路同士のインターチェンジよりはるかに危険です。

走行の際は十分注意しましょう。

ジャンクションの意味

ジャンクションはJCTとも略されます。

たとえば、川口JCTや八王子JCTといった具合です。

*日本におけるジャンクションの意味

日本におけるインターチェンジの意味は、世界標準ではないと前述しました。

日本では、高速道路同士の結節点をジャンクションと呼んで区別しているためです。

インターチェンジとの違いは、一般道との出入りが原則としてできないという点です。

また、料金所が併設されているため、一旦は減速することが多いインターチェンジとは異なり、ジャンクションでは自動車が高速走行のまま出入りする点も大きな違いです。

そのため、道路の形状も高速走行向けに設計され、インターチェンジよりも広い用地を確保する必要が出てきます。



*料金所が併設されたジャンクション

全国的に見れば数は少ないですが、料金所の併設等の理由で、高速道路同士の結節点でありながら、ジャンクションではなくインターチェンジと呼ばれている例もあります。

たとえば、仙台南ICは、東北自動車道と仙台南部道路という2つの高速道路の結節点ですが、料金所が併設されているため、仙台南「JCT」ではないのです。

実は、高速道路同士の結節点を必ずジャンクションと呼ばなければならないわけではありません。

こうした理由から、やや感覚的な基準ではありますが、料金所が併設されているため、減速・停車する必要がある場合は、ジャンクションに見えてもインターチェンジという理解でよいでしょう。

ランプの意味

インターチェンジとジャンクションの違いは、おおよそわかっていただけたかと思います。

しかし、高速道路の設備を紹介するうえで避けて通れず、しかも説明が難しい設備として、ランプがあります。



*ランプの本来の意味

高速道路の設備としてのランプとは、本来、高速道路の本線に自動車を合流させるための連絡道路を指します。

つまり、インターチェンジやジャンクションのように、1つのまとまった設備を指すわけではありません。

たとえば、インターチェンジであれば、料金所を挟んで高速道路と一般道が連結されているわけですが、その連結している道路こそ、本来の意味でのランプです。

ジャンクションの場合も、一方の本線ともう一方の本線を連結する道路に当たります。

こうした理由から、連絡道路としてのランプを、特にランプウェイと呼んで区別することもあります。

*日本におけるランプの意味

日本では、実質的にインターチェンジの役割を担っているものの、構造的に要件を満たさず、ランプと呼ばれている場合があります。

どうしても日本では広い用地の確保が難しいため、インターチェンジとは呼べない、ランプ止まりの設備が多くなります。

日本でよく見られるランプは、一般道から直線的に高速道路の本線に連結するタイプです。

ランプが多いのは、何と言っても首都高速道路に代表される都市高速道路です。

事例は数多いですが、東京駅八重洲口から近く、高速バスもよく利用する宝町ランプ(首都高速都心環状線)は有名でしょう。

ちなみに、インターチェンジになりきらないランプの場合、「~出入口」という表現になることがほとんどです。

福岡都市高速道路等は、そうした事例が多く、わかりやすいでしょう。

インターチェンジとランプの違いは微妙ですが、インターチェンジに特有の曲線的・立体的連絡道路が併設されておらず、一方向にしか向かえない連絡道路のみの場合は、ランプと呼んで間違いありません。

なお、事例が膨大なので列挙しませんが、交通量の多い一般道同士の結節点では、前述したインターチェンジよりもランプが多く用いられます。



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インターチェンジとジャンクションの違い【まとめ】

今回は、インターチェンジ、ジャンクション、そしてランプの違いを、その基本的な意味から見てきました。

高速道路におけるインターチェンジとジャンクションの違いは、片方が一般道かという点と、料金所が併設されているかという点で、ほぼ判断できます。

しかし、インターチェンジとランプの違いは微妙ですので、ケースバイケースとなります。

こうした高速道路、あるいは一般道の設備を意識しながらドライブすると、ただのドライブが有益な勉強になったりします。

日頃何気なく利用している道路ですが、案内標識等にも気を付けながら、ぜひいろいろ探ってみましょう!

ただし、くれぐれも安全運転を忘れずに。